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近未来SF名作ドラマCD『イキガミとドナー 二人のイキガミ』感想(CV河西健吾、八代拓、山下誠一郎)

ここまで重厚でシリアスなBLCD久々かも…!

超人的な力を持つイキガミ(人間兵器)と、その唯一の癒し手であるドナー*1のお話イキガミとドナー』スピンオフです。さすがファンタジーの名手山中ヒコ先生。かなり切ない展開もあるので、聞く際にはハンカチのご準備を!

黒髪の方が滝くんで、明るい茶髪の方が春人くん

 

キャスト感想

柴田@河西健吾さん

受け。春人くんのドナーでエリート官僚
クレバーな大人なのに、どうしようもなく放っておけないオーラを漂わせるずるいお人でした。落ち着いた低音がとても色っぽくて、あんな誘われ方されたら滝くんも流されちゃうだろうな。

大変なことが沢山あって感情を押し殺したような役どころですが、前作の頃と比べると確実に心の細やかな揺れ動きが伝わってきて凄かったです…!河西さんが柴田さんで本当に良かった!物語の奥行きを完璧に再現してくださいました。

十年前で時が止まっていた(ように見える)本編がつらかった分、特典での「恋人に聞きたい50の質問」にて食い気味にセッ●●を連発するところは笑えます。柴田さん結構積極的ですね…!河西さんは台詞で煽るタイプの方だと思ってたんですけど、受け声も音域がいつもより抑えめでそこが良かったです♡

 

春人@八代拓さん

攻め。柴田さんのイキガミ
儚くて……純粋で……かわいらしくて……春人くんの柔和な笑顔‪がそのまま浮かんでくるような八代さんのふわふわ声音がぴったりでした泣

こんな良い子に一途に思われたら絆されない訳ない!泣
けど立場との板挟みで愛情を返せないのがしんどい…。結婚式のシーンは幸せであればあるほど泣けてくる罠…。ただ柴田さんが言えなかった言葉も、春人くんはちゃんとわかっていた気がします。

わーいいつもの王道拓ちゃんだ!って思って聴いてたら、キャストコメントで河西さんが「今彼がやる役よりも結構若い、ハイトーンなイメージのキャラクターで、八代くんこんな子犬系いけるんだと発見した」とおっしゃってて、オタクは柏木翼で時を止めるのやめなさいと反省しました……すみません……。

 

滝@山下誠一郎さん

攻め。イキガミ。ドナーはまた別の人だけど本編に関係なし
柴田さんへの揺るがぬ愛!健気!わんこ!諦めない熱意!が誠一郎さんのまっすぐなお声から伝わってきました。

滝くんは田舎でお兄さん達に愛されてすくすく育った純朴ボーイなのですが、いざ春人くんを前にすると嫉妬からかいつもよりやや刺々しい態度に変わるのも可愛かったです。怒ってる滝くんソーキュート。

キャストコメントで八代さんが「自分が滝くん目線だったら、春人くんの存在ってもう絶対勝てないじゃん…」、誠一郎さんが「可哀想でかわいいってスタッフさんに言われた」等々おしゃっていましたけれども!!!!

個人的に勝てないとか不憫とかは全然思わなくて、滝くんなら安心して柴田さんを任せられる!がんばれ!頼んだぞ!くらいの気持ちで聞いてました。あんな日本中どこへでも追いかけてくれる子いないし、滝くん自身も柴田さんに振り回されるの割と好きなんだろうな*2と…笑 初絡みのがっつき感と臨場感やばくて聞き返しました…

 

鬼道@中島ヨシキさん

前作攻め。吉野のイキガミ
成長いちじるしい前作主人公感。隙あらば吉野にキスしていちゃつくバカップぶりも、柴田さんへの不愛想なエールの送り方もツンデレ可愛くて……!

コメディ担当のはずなのに、鬼道が言う「(吉野の優しさと比べて)柴田なんかこんくらいだ」で笑い泣きしてしまいました。
素直になれない者同士だけど、なんだかんだ疑似親子のような信頼関係がしっかり根付いている鬼道と柴田さんが大好きです…。柴田さんの十年は意味あるもの。

そういえばヨシキさんも兼役やってるみたいでしたが、記者会見のところ以外わかんなかったです。

 

吉野@斉藤壮馬さん

前作受け。鬼道のドナーで中学校教師
吉野はそりゃモテるよ〜〜絶対に番犬鬼道が離してくれないけど!!!

相変わらずの慈愛みあふれる優しいお声でみんなのオアシスでした。柴田さんへの誠実な励ましも、ボーナストラック「もっと早く、もっと遅く」(同窓会で鬼道が回収しにくるエピ)や特典ミニドラマ「言葉の地図」(滝くんの恋愛相談)も吉野の温かさが出てて良かったです!

恋バナ回、壮馬さんの声で「それは柴田さんが悪いね…」とか言われて草。どしたん話聞こか笑 独占欲鬼強カレシ持ちですけどね吉野先生…。

 

小池@小林千晃さん

今回の過労賞!小池として吉野や滝くんと恋バナしたり、旅先の柴田さんにちょっかいかけたり、テレビ報道関係だったり至る所で綺麗な特長あるお声が聞こえてきました。たくさんの兼役お疲れ様です!

千晃さんって何でもそつなくこなされる器用なイメージでしたが、兼役は苦手なのかな?『春懸けて、鶯』といい同じ声だとモロバレなのが人間味あって良かったです。

 


いちばん心に残ったエピソードは送り火です。お盆に春人くんが帰ってくる回。
柴田さんにとって春人くんも滝くんも大切な存在なんだなって…。

同い年で芸歴も一緒だという八代さんと誠一郎さんが演じてくださったので尚更、子供みたいに他愛ない喧嘩をする攻め2人が微笑ましかったです!切ないですが!

春人くんへの想いごと全部、柴田さんを受け止める滝くんはほんま懐の広い男ですよ…幸せな未来いっぱい紡いでね(´;ω;`)

かつての柴田さんが寝言で春人と言いかけてたのが、今は滝くんに変わってるんですよね…。10年の重み…。これで前に進めるようになったのかなって。

 

イキガミの孤独な宿命や柴田さんの復讐に関しては前作&原作コミックスを履修した方がわかりやすいので、このシリーズの壮大な世界観まるごと楽しんでいただけたらと思います。癒しとLoveをお求めの方はぜひ言葉の地図セットを!!

 

 

 

余談。

直接関係ない話で恐縮ですが、特攻JK映画でも「生き神様」という台詞が出てきたのを思い出しました。

wakabano.hatenadiary.com

↑この映画では特攻隊員さんが町のおばあさんに「生き神様」と呼ばれていたのが凄く印象的です。国を守るために戦ってくれる偉大な英雄として崇拝しながらも、自分や身近な人間がそうなるのは怖い、この人が損な役目を負ってくれて心のどこかでは安堵しているみたいな……。

人間を神様として扱う気持ち悪さが、『イキガミとドナー』も共通しているかもって思いました。人権とか全くないディストピア…。

お国の為に全てを犠牲にしてきたのに、イキガミは神でもなんでもなく人為的に増やせるものと知って妻も名誉も失ったおじさんだったり、死すらも美談として政治的に利用された悲劇のヒーローだったり。イキガミとドナーがお互いを思えば思うほど搾取されてしまう構造自体が凄くよく練られてるなと…やるせない怒りを感じました…。

 

お話の詳しい感想に関しては私のざこ語彙力じゃ上手くまとめられないので、ぜひ!!!原作なりCDなりで!!!実際に読んで聞いていただくのが一番だと思います。

前作の鬼道×吉野編でイキガミ鬼道がどれだけ酷い目にあったのか、孤独な生い立ちごと知っているといいかも~~。

 

評価点もお忘れなく

BLアワードのCD部門、および声優部門のノミネートにも関わってくるらしいので、お聞きの方は星ポチポチぜひ〜!

ちるちるサイトで評価されてないだけで埋もれちゃう名作は毎年ありますが、100(単純に計算して5×20?)超えたら結構希望が見えそう。貴方の力が…必要です…!

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評価の仕方

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おわり。
レビューは書いても書かなくても大丈夫なので!CDを聞いたら星ポチよろしくお願いします🙇🏼‍♂️

 

 

*1:ドナーの体液でないとイキガミが負った傷は治せないとか、匂いの相性がめっちゃ良いとかなんかオメガバース的な運命の設定

*2:山中ヒコ先生のキャラクター紹介シートにて、春人くんは「好きな人:冷静な人」だったのに滝くんは「ほっとけないもの:かげのある美人」って書いてあったので